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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第17回 カルガモ 最も身近なカモ カルガモ

古くから食用に

 カモ類は、古くから食用として利用されてきました。そのことは、貝塚からカモ類の骨が多数見つかることからもわかります。最も多く見つかるのはマガモの骨ですが、カルガモの骨も多く見つかっています。カモ類の多くの種類は、現在では狩猟が禁止にされていますが、カルガモとマガモは現在も狩猟の対象となっています。ですので、カルガモは現在もカモ鍋として親しまれているカモです。

 カルガモ(軽鴨)の名の由来は、マガモに比べて体が小さいという意味で付けられたという説や、万葉集に歌われた「軽ケ池」に周年見られたカモに由来するという説があります。

引っ越しの行列

 カルガモが現在の私たちの生活に身近な存在になっていることに、「引っ越しの行列」があります。この鳥は先に述べたように市街地にも生息し、繁殖もしています。ちょっとした池があれば見ることができ、都会のビルの植え込みなどでも繁殖しています。雛が孵化するとその翌日には10羽ほどの小さな雛を多数連れて、水辺に移動する習性があります。

 街の中で水辺まで移動するには、道路などを横切り、長距離を移動しないと水辺に辿り付けません。大きな雌親に小さなヒナたちが一列に並んでついて行く様は特異な光景であり、道路を横断する間、車が止められることもしばしばあり、マスコミでその様子が取り上げられることが、最近多くなりました。

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